Introduction

イエスさまのように – 御国のお手本

イエスさまは私たちにとって、人生とミニストリーのお手本です。だからこそ、イエスさまがどのようなお方であり、何を優先とし、どのように弟子作りのムーブメントを築き上げたかを知ることは、とても重要です。大宣教命令は、この弟子作りのムーブメントによって成就されていくのです。

クリスマスは、「ことば」の奥義をお祝いする時です(ヨハネ1章1節)。その「ことば」は人となり、「ナザレのイエス」と呼ばれる男の子として生まれました(ヨハネ1章14節)。永遠から、時と空間の世界に入って来られたのです。そして、ローマ帝国の支配下にあった1世紀イスラエルで、家族や文化、村、部族に囲まれながら、日々の生活を送られました。

イエスさまは完全に神であられましたが、完全に人として生きることを選ばれ、天のお父さまに完全に従って生活しておられました。ナザレに生まれた「人の子」として、聖霊の力によってご自身の生涯とミニストリーをまっとうし、天のお父さまの御心を完全に成し遂げられたのです。当然のように神としての力を用いることもできましたが、完全に人間でありながらも罪のない人として生きることを選ばれました。それは、私たちが、自分の生涯と働きを通してどのように神さまに栄光を帰すことができるのか、そのお手本になるためでした。

イエスさまは、常に完全に神さまであられ、それは変わることはありません。天にあるありとあらゆる権威や力、またすべての資源を用いることもできましたが、あえてそれらをお使いになりませんでした。それよりも、罪を犯すことなしに、「すべての点で兄弟たちと同じようになる」(ヘブル2章17節)ことを選ばれました。ヘブル人への手紙は、次のように私たちを励ましています。「ですから、天の召しにあずかっている聖なる兄弟たち。私たちが告白する、使徒であり大祭司であるイエスのことを考えなさい」(ヘブル3章1節)。

福音書の著者四名は、イエスさまの生涯と教えの概要を記録しています。彼らの証言を読んでいくと、イエスさまのムーブメントがどのように成長していったかを知ることができます。人となられたイエスさまは、時間と空間に支配され、時・日・週・年という流れの中で生きておられました。その「時」の中で、ムーブメントを立ち上げ、成長させたのです。だからこそリーダーたちは、イエスさまの実例から多くを学ぶことができます。私たちは、福音書に記録されている出来事を時系列に並べていくことによって、イエスさまの生涯とムーブメントがどのように展開していったかを知ることができるのです。

ルカは、イエスさまの生涯について綿密に調べ、出来事を順序立てて書こうと試みていると記しています(ルカ1章1〜4節)。一方、他の福音書の著者たちは、時系列にはこだわらず、テーマごとに出来事を記録しています。たとえば、四つの福音書のうち、最後のものを書いたヨハネは、新しい事実を記録しており、特に、イエスさまの地上の生涯とミニストリーにおける最初の1年半(ヨハネ1~4章)と最後の数週間(ヨハネ12~21章)の空白を埋めています。実際、ヨハネ13~20章は、たった3日間で起きた出来事の記録です。

また、ルカの福音書は、イエスさまが歴史上どの時点におられたかが分かるような手がかりも与えてくれています。

ルカは、イエスさまがヘロデ王(大王)の時代に生まれたと記しています(ルカ1章5節)。それは、皇帝アウグストゥスの治世であり(ルカ2章1~7節)、キリニウスがシリヤの総督であった時でした(ルカ2章2節)。またルカは、イエスさまがミニストリーを開始したのは、皇帝ティベリウスの治世の第15年(ルカ3章1~2節)であり、およそ30歳の頃だったと記録しています(ルカ3章21~23節)。これらの情報は、イエスさまがいつミニストリーを始め、どのくらいの期間その働きを行われたのかを知るために、非常に重要です。またイエスさまがどのようにして弟子作りの土台を築き、弟子作りをすることのできる弟子を生み出し、そして最終的に、倍加できる弟子を作ることのできるリーダーへと彼らを育てていったかをたどる手がかりにもなっています。

 

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